出張料理の道へ

私が一番大事にしている時間は、家族で囲む休日の夕食です。

 

  


子供たちと遊んだり、夫婦で買い物に出かけたり、家族で旅行に行ったり、楽しい時間は色々ありますが、その日の終わりに、今日も良い一日だったね、と笑顔で振り返るひとときに私は幸せを感じるのです。


 


 なぜそんなことをお話するかというと、私の料理作りに対する考え方の原点が、そこにあると思うからです。



 料理というのは、家族や友人とのディナーという楽しいイベントの中の一つの要素に過ぎない、というふうに考えています。


 

 だからといって、料理の価値を卑下しているわけではありません。


 

 ただ美味しい料理を作るだけでは、ディナーを託された責任者としてその料理人は不合格だと思うのです。




 いかにその空間を、そのひとときの時間を最高のものにするために、自分本位ではなくお客様に寄り添ったサービス、その日のお客様との距離感、素敵なサプライズなど、こと細やかに、そしてその時々の状況に応じて創り上げていく。


 その結果、お客様が素晴らしい時間を過ごした、と思ってくださる事が私の何よりの願いなのです。